アスリートに学ぶビジネス成功への軌跡(第39回)F1からパラへ 不屈の人、アレックス・ザナルディ

人材活用

2021.09.14

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 レーシングドライバーであるアレッサンドロ・ザナルディにハートを射抜かれたのは1996年9月のことだった。彼はイタリアのボローニャ出身のレーシングドライバー。66年生まれのイケメンだ。

 94年まで4年間にわたりF1でドライブしたものの目立った戦績を残すことができなかったアレッサンドロ・ザナルディは、1996年、心機一転CARTシリーズに参戦。米国では特に「アレックス」という通称で注目を集めていた。その年のシリーズ最終戦、それも最終ラップだった。

 先頭を行くブライアン・ハータと赤いマシンで追走するザナルディは後続を大きく引き離し、2台でバトルを繰り広げていた。2台は、緑の少ない砂漠の中に造られた高低差の激しいラグナ・セカ(スペイン語で乾いた湖という意味。かつて湖があった場所に造られた)のコースを駆け上がり、名物コースであるコークスクリューに向かう。コークスクリューは15mの高低差があるS字コーナーで、マシンはコーナーの名称が示すようならせん状のコースを一気に駆け降りることになる。ここで勝負を賭けるのはリスクが高過ぎる。もうゴールまでわずかである。2位のポイントをゲットする選択をするのが賢明かもしれない。

 しかしザナルディは諦めない。

 ブレーキングをググっと遅らせハータの前に出たザナルディは、その勢いのままなんとコーナーを曲がらずに直進し、ダートに落としたマシンが砂ぼこりを上げるのもおかまいなしに走り抜けてコースに戻ってみせるのである。

 テレビで見ていて「WAO!」と声を上げてしまった。なんてむちゃなことをする、なんてチャーミングなドライバーだろう!そのオーバーテイクで、ザナルディに魅せられてしまった。

 ザナルディはアグレッシブなレースで勝利を重ねていく。ミスやトラブルで最後尾にまで順位を落としたザナルディが次々と他車を抜き去り、優勝を遂げるレースを何度見せてもらったことだろう。そうしたレースでファンを沸かしながら彼は97年、98年と連続してシリーズチャンピオンの座に輝いた。

悲劇的な事故からの奇跡的な復活…

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執筆=藤本 信治(オフィス・グレン)

ライター。

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