税理士が語る、経営者が知るべき経理・総務のツボ(第79回)任意調査の最強軍団“料調(リョーチョー)”とは

経営全般 資金・経費

公開日:2022.12.09

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 国税庁の組織図は、国税庁を頂点に、全国12カ所の国税局(沖縄は国税事務所)の下に524の税務署があります。国税局の中には課税部があり、そこに今回紹介する資料調査課(シリョウチョウサカ)、略して「料調(リョーチョー)」と呼ばれている、任意調査の最強部署があります(下記の赤枠の部分)

 国税の調査部門では「査察」が有名ですが、査察は国税犯則取締法に基づく強制調査で、臨検、捜索、差押えなどの権限があり、悪質な脱税を摘発するという目的があります。リョーチョーは強制調査ではなく任意調査なので、そこが査察とは大きく違います。

東京国税局の組織図(HPより一部抜粋)

 国税局課税部は、税務署が管轄する個人・法人に対して、税務署だけでは十分な深度ある調査が実施できない事案について、リョーチョーが単独または税務署職員と合同で調査を実施します。

 税務調査は基本的に、調査先に連絡して、調査日や調査対象税目などを告げなくてはいけませんが、リョーチョー調査の大部分は無予告で調査を行い、個人事業主あるいは法人の代表者に対して突然臨場し、多少強引かもしれませんが、了解を得て実地調査を行います。

 筆者が経験した某国税局課税第二部資料調査第一課は、リョーチョー職員だけで調査を実施。資料調査第二課は、リョーチョーと署の職員が合同で調査を実施していました(地域班などに分かれ5班体制)。

 また、西日本の某国税局では、資料調査第一課と第二課が一体となって単独調査を実施するなど、合同調査を各班で実施していました。つまり、国税局によって、必ずしも取り組み方が同じというわけではないのです。

グループリーダーの実査官には厳しい内規…

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