税理士が語る、経営者が知るべき経理・総務のツボ(第86回)グループ通算制度~その特徴と税務調査の方向性~

経営全般 資金・経費

公開日:2023.08.01

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 グループ通算制度とは、2020年度の税制改正において導入が決定され、2022年4月1日以後に開始する事業年度から適用されている法人税の制度です。

 2002年度以降適用されてきた連結納税制度が、企業グループの一体的な経営を進展させ、国際競争力を維持強化するといった側面で有効に活用されてきた一方、連結納税制度の選択による事務負担の増大や、税務調査後の処理手続きの煩雑さなどが制度のデメリットとして強調されるようになっていたため、計算構造の変更などを中心に制度の抜本的な見直しが行われ、2022年度よりグループ通算制度に移行されました。

 グループ通算制度は、100%保有関係にある内国法人の企業グループ内の各法人を納税単位として、各法人が個別に法人税額の計算および申告を行い、その中で損益通算などの調整を行う制度です。イメージ図をご覧いただくと分かるように、連結納税制度における損益通算の基本的な枠組みは維持しつつ、各法人が個別に法人税額の申告・納付を行う点に最大の特徴があります。

 また、税務調査などで後発的に修更正事由が生じた場合に、原則として他の法人の税額計算に反映させない仕組み(以下「遮断措置」といいます)とされており、併せて、グループ通算制度の開始・加入時の時価評価課税および欠損金の持ち込みなどについて組織再編税制と整合性のとれた制度となっています。

出所:財務省ホームページ

 

税務調査の方向性…

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執筆=深澤 英雄

租税調査研究会主任研究員・税理士。元税務大学校教授、元千葉西税務署長。

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