税理士が語る、経営者が知るべき経理・総務のツボ(第96回)払う方ももらう方も有意義なボーナスに

業務課題 経営全般 資金・経費

公開日:2023.12.26

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 ボーナスの支給時期は、一般的には夏と冬の2回が多いのではないでしょうか。国家公務員は人事院規則により支給時期が決まっており、夏のボーナスが6月30日、冬のボーナスが12月10日です。地方公務員も国家公務員に近いタイミングで支給されます。

 一般財団法人労務行政研究所(理事長=猪股宏氏)が、東証プライム上場企業のうち187社から回答を得た集計結果によれば、2023年冬のボーナスの妥結額は、全産業平均で80万28円。対前年同期比で1.5%の増加となっています。2020年のコロナ禍以降、各社の冬のボーナスは大幅にダウンしましたが、2022年冬のボーナスは前年比8.5%と大幅増加に転じ、2023年は伸び率こそ1.5%の増加ですが、1970年以降最高額の80万円台になりました。

 こうした情報が報道されると自社と比較して、「うちは高い、低い」などと多くの社員の仕事に対するモチベーションへの影響も少なくないでしょう。アフターコロナにおいて、大企業こそ売り上げを伸ばしてボーナスアップとなっていますが、中小企業の多くは、コロナ禍前の経営状況に戻っていないケースも少なくありません。経営者としては、社員をガッカリさせないように、なんとか資金を確保してボーナス支給までたどり着けたのに、モチベーションアップどころか不満材料になったのではたまったものではありません。

モチベーションアップにつながるボーナスとは……

 そこで、今回の冬のボーナスは無理にしても、今後、社員のモチベーションを上げる効果的なボーナスの支給の仕方について考えてみたいと思います。

 コロナ禍でボーナスが減った社員からすると、支給されるだけでも「ありがたい」と思う人もいるでしょう。こうした雰囲気が社内にあるのならば、経営者としては「皆さんの働きのおかげで、ボーナスを支給する余力ができてきた」と感謝を伝え、今後につなげることが重要です。さらに、取引先やお客さまに喜んでもらい、会社の業績を上げ、その利益を皆で分かち合いたいという“思い”を伝えておくと、「自分たちの行動やその結果次第でボーナスは上がっていく」と、社員のモチベーションが高まっていくと思います。

 つまり、「ボーナスは自動的に出るものではない」という認識を社内で共有することが重要です。大企業と違い、中小企業にとってのボーナスは、会社の財務に直接影響する場合も少なくなく、支給方法の厳密なルール化は難しいかもしれません。そのため、ルール化できない場合は、「毎回、業績に応じて決めています」といった説明をしっかりして、社員に納得してもらえるような努力が必要です。一方で、配分方法はできるだけオープンにしたほうが、より社員が納得すると考えます。

通常のボーナス以外に「決算賞与」という方法…

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