税理士が語る、経営者が知るべき経理・総務のツボ(第56回)

その追加借り入れ待った!リスケジュールで健全化を

2020.12.14

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 新型コロナウイルスの感染拡大が企業経営に悪影響を及ぼしています。中でも「借入金の返済が危ない」「日々の運転資金が底を突きそう」「手形や買掛金の決済日が不安」など、資金繰りに悩む経営者は少なくないでしょう。追加で借り入れをすれば一時的に資金繰りは楽になるかもしれませんが、利息の支払いが増えることで、将来的には資金繰りがより苦しくなる可能性があります。

 本当に資金繰りに苦しんでいる場合、まず借入先である金融機関などに相談し、リスケジュールを打診してみる手があります。今回は、リスケジュールのメリット・デメリットのほか、リスケジュールを行うための大まかなフローを紹介します。

リスケジュールのメリット・デメリット

 リスケジュールとは、資金繰りに困っているときに、借入金の利息額を減額してもらったり、返済を一定期間猶予してもらったりするなど、借入金の返済の諸条件を見直すことをいいます。一般的に「リスケ」と略して呼ばれています。

 リスケは返済条件を変更してもらうだけなので、直接的に財務状態が改善されるわけではありません。しかし、それによって資金繰りが改善される点は大きなメリットです。例えば、毎月10万円の返済をしている企業が、1年間返済を猶予してもらった場合、10万円×12カ月=120万円の支払いがなくなったと考えることができ、そのお金を他の用途に回すことができます。

 また、担保の差し押さえなどが回避できるのもリスケのメリットの1つです。借り入れの返済が延滞すれば、金融機関によっては担保の差し押さえや、競売などの対応を行う可能性があるからです。

 では、リスケのデメリットにはどのようなものがあるでしょう。まず挙げられるのは、リスケ後の返済条件での返済が終わるまでは、追加融資を受けにくくなる点です。また、リスケの条件として、早急な経営改善が求められ、思い切った経営改革が必要になることもあります。場合によっては、役員報酬の削減や従業員のリストラを行うことが、金融機関がリスケを承諾する条件になることもあり得ます。

 リスケをしていることが取引先や他の金融機関に知られると、信用が低下する可能性があります。例えば取引先の場合、代金支払いが遅れることを懸念して、取引停止を通告されてしまうこともあり得ます。さらに従業員に知られた場合でも、倒産を危惧して、必要な人材に退社されてしまうことが考えられます。こうしたメリットとデメリットを十分に理解したうえで、リスケを検討しましょう。

実際にリスケジュールを行う際の流れ… 続きを読む

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執筆=河野 雅人

執筆=河野 雅人

公認会計士・税理士
新宿区に事務所を構えている。主に中小企業、個人事業主を会計、税務の面から支援中。

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