ビジネスWi-Fiで会社改造(第38回)
ビジネスWi-Fiが介護施設を変える
公開日:2023.09.28
2023年5月8日に新型コロナウイルスの感染法上の分類が季節性インフルエンザと同じ「5類」に引き下げられました。国税庁は新事務年度(7月~翌年6月末)が始まった7月から、調査体制をコロナ禍前の“通常”に戻し、本格化させています。
近年の税務調査件数を見ると、例えば法人税調査ではコロナ禍前は年間10万件近く実地調査を行っていましたが、コロナ禍の令和2事務年度は2万5000件、同3事務年度は若干回復したものの4万1000件でした。令和1事務年度においては、新型コロナの影響を受けたのが令和2年1月から6月までだったので、年間を通じて調査件数が3割ほど減っています(図表参考)。
コロナ禍では調査先が絞られて件数は激減したものの、深度ある調査が行われ、調査1件当たりの追徴税額が2.5~3.5倍に上がりました。これは、調査件数に制限がかかったため、調査官が資料分析などに時間をかけることができ、追徴税額が高いと見込まれる企業に絞って調査したことが数字に反映されたものと思われます。
ただ、調査選定した案件すべてを調査できたわけではなく、ストックされている案件も多いと言われており、コロナ禍以降はこれらの案件をベースに再度調査選定し、実地調査が行われるとされています。つまり、新事務年度が始まった7月からの税務調査は、件数がコロナ禍以前に戻るだけでなく、厳しい調査が行われる可能性が高いと言えます。
そもそも、なぜ税務調査が行われるのでしょうか。国税通則法には、
①特定の納税義務者の課税標準等又は税額等を認定する目的その他国税に関する法律に基づく処分を行う目的で当該職員が行う一連の行為(証拠資料の収集、要件事実の認定、法令の解釈適用など)をいう。
②上記に掲げる調査には、更正決定等を目的とする一連の行為のほか、再調査決定や申請等の審査のために行う一連の行為も含まれることに留意する。
とあります。
簡単に言うと、納める税額が誤っていると考えられるため、証拠を確定するために行う行為といえます。②には明確に「更正決定等を目的とする一連の行為」と記されており、申告誤りを見つけに来ているのです。
税務署からの調査関係の連絡はすべて税務調査だと思われがちですが、実は「税務調査」と「行政指導」の2つがあります。「税務調査」は税務職員の質問検査権が及びますが、「行政指導」は質問検査権が及びません。
質問検査権とは、国税通則法(74条の2)に「調査について必要があるとき」は、
・質問する
・帳簿書類その他の物件の検査をする
・事業に関する帳簿書類の検査や提示、提出を求める
ことができると明記されています。
つまり、「税務調査」ではなく「行政指導」ならば「調査が及ばない行為」であるため、罰則的なものはありません。行政指導は税務署からの要請的な意味合いが強く、申告内容の自主的な修正をはじめ自主的な情報提供の依頼、提出書類に関する確認などが含まれます。
そのため、税務署からの連絡が税務調査なのか行政指導なのか分からない場合は、「これは税務調査ですか?それとも行政指導ですか?」と確認をして対応することをお勧めします。行政指導なら調査官の話をよく聞き、対応していけば恐れる必要はありません。
\ かんたん入力で登録完了 /
【T】
税理士が語る、経営者が知るべき経理・総務のツボ
2024年9月25日(水)①14時00分〜15時00分 ②18時00分~19時00分
セキュリティ関連