戦国武将に学ぶ経営のヒント(第16回)“人は利だけでは動かない”を実践して散った大谷吉継

歴史・名言

2016.09.13

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 前回はNHK大河ドラマ『真田丸』で山本耕史さん演じる石田三成を取り上げました。今回は、その親友、片岡愛之助さん演じる大谷吉継(1565~1600)を紹介します。

 三成との友情を守り、家康打倒のために出陣したのが大谷吉継です。冷静な頭脳と厚い情を併せ持つ高潔の士というイメージが強い吉継は、病のため頭巾で顔を隠し、輿に乗って指揮する姿が描かれることが多い武将です。

 三成との絡みが印象に残る吉継ですが、実は真田信繁(幸村)との関係も非常に強い武将です。信繁の正室は吉継の娘、竹林院です。そして竹林院は嫡男、真田幸昌(大助)を生んでいます。つまり吉継は、信繁の義理の父親、幸昌の祖父ということになります。

秀吉の懐刀として厚い信頼を得ていた吉継

 諸説ありますが、吉継は1565年、近江(現在の滋賀県)で生まれました。豊臣秀吉の小姓として採用されたのを皮切りに、順調に出世の階段を登っていきます。1577年、福島正則や加藤清正らとともに秀吉の馬廻り衆に抜擢されると、多くの戦で活躍。特に、1583年に秀吉が柴田勝家と戦った賤ヶ谷の戦いでは、福島正則、加藤清正らの「七本槍」と並ぶ「三振の太刀」と賞賛されるほどの手柄を立てました。

 そうした武勲の一方、秀吉の九州征伐や朝鮮出兵に当たっては、三成とともに物資の調達や交渉事に手腕を発揮しています。ビジネスでいえば、営業や生産といった現場の第一線で活躍を見せ、事務的な作業をさせても一級の腕を持つといったところでしょうか。吉継はこうした多くの実績を上げて、主君・秀吉からその懐刀として揺るぎない信頼を得るようになります。

 「吉継に100万の軍勢を与えて、自由に指揮をさせてみたい」と秀吉は語ったといいます。また、ある史料には「吉継は、人柄が良く才能豊かで仕事を嫌がらないことで、秀吉も満足した」とあります。これらのエピソードは、いかに秀吉の吉継への信頼がいかに厚く、また強い絆で2人が結ばれていたかを物語るものといえるでしょう。

 次のような話もあります。あるとき大坂で、「千人斬り」と呼ばれる辻斬りが出没し、秀吉の頭を悩ませました。しばらくして犯人が捕らえられ処刑されましたが、実はそれまで吉継が犯人であるとの噂がささやかれていました。しかし、秀吉はそんな噂にまったく耳を貸さず、吉継を重用し続けました。秀吉は吉継の人間性を信じていたのです。

生涯、石田三成との友情を貫く…

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