税理士が語る、経営者が知るべき経理・総務のツボ(第78回)外国法人、非居住者への支払いは源泉徴収に要注意

経営全般 資金・経費

公開日:2022.11.11

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 近年、経済の国際化が急速に進んでおり、国際税務の分野もこれまで以上に重要性を増してきています。今回は、国際税務の論点の中でも重要性の高い「国際源泉」を取り上げてみたいと思います。

 なぜ、国際源泉が重要なのか? それは、経理実務で遭遇する可能性が高い分野だからです。例えば、「移転価格税制」や「タックスヘイブン対策税制」などは、海外に子会社などを設けていなければ課税対象にはなりません。しかし、国際源泉課税は、外国法人や非居住者に何らかの支払いをする場合には、源泉徴収をしなければならないケースがあるため、海外取引に日々従事していないような企業であっても、遭遇する可能性があります。税務調査では源泉徴収漏れを指摘され、多額の追徴課税を受けるケースも少なくありません。

源泉徴収制度の概要

 まず、源泉徴収制度について確認しておきましょう。源泉徴収制度は、給与や配当などの支払いを行う場合に、支払者が支払金額の中から一定の税金を天引きして、国に納付する制度です。特に海外取引においては、より確実な税金徴収手段として源泉徴収制度が重要な役割を担っています。例えば、「非居住者」や「外国法人」に対して、源泉徴収の対象となる一定の国内源泉所得の支払いをする場合、その支払いの際に源泉徴収しなければならないとされています。

 わが国の所得税法では、国内に住所があるか、または現在まで引き続き1年以上居所を有する個人を「居住者」と定義し、「居住者」以外の個人を「非居住者」としています。つまり「非居住者」は、日本の居住期間が1年未満の者、または生活の中心が海外にある者となります。よって日本人であっても、海外転勤などで海外赴任した者も非居住者となる場合があります。また、外国法人とは、国外に本店または主たる事務所を有する法人をいいます。

 このように、支払先が非居住者か外国法人である場合には、源泉徴収が必要かどうかの検討が必要となります。

【源泉徴収のイメージ~源泉徴収税率20%の場合】

源泉徴収が必要となる支払い

 非居住者や外国法人に支払う際に、源泉徴収が必要となる主な国内源泉所得と源泉徴収税率は、以下の通りです。

«源泉徴収が必要な主な国内源泉所得と税率»

国内源泉所得の種類源泉徴収税率
土地などの譲渡対価10.21%
人的役務の提供事業の対価20.42%
不動産の賃貸料など20.42%
預貯金の利子など15.315%
配当など20.42%
貸付金の利子20.42%
工業所有権などの使用料など20.42%
給与その他人的役務の提供に対する報酬、公的年金など、退職手当など20.42%

 今回は、これらの国内源泉所得のうち、日々海外取引を行っていない企業でも直面する可能性のある「土地などの譲渡対価」「不動産の賃貸料など」について、この後で見ていきたいと思います。

租税条約を確認する…

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