戦国武将に学ぶ経営のヒント(第49回)餅は餅屋!水の上の戦いは専門家に任せる

歴史・名言

2019.06.11

  • PDF PDF
  • ボタンをクリックすることで、Myクリップ一覧ページに追加・削除できます。追加した記事は、「Myクリップ」メニューからいつでも読むことができます。なお、ご利用にはBiz Clipに会員登録(無料)してログインする必要があります。

 戦国時代の武将の命運は、さまざまな要因によって左右されました。中でも大きかったのは、どの武将と同盟を組むか、またどの武将の臣下に入るかという判断です。

 そんな合従連衡のポイントの1つに「専門性」があります。中でも「水軍」の力をうまく活用できるかどうかは、戦国武将の運命に大きな影響を与えました。いくら陸の上で強くても、海や湖といった水の上では勝手が違います。その専門職である「水軍」の力を活用することには大きな意味がありました。

 水軍の力を活用したことがポイントとなった戦いとして知られるのが、1555年の厳島の戦いです。安芸国(現・広島県)の毛利元就は、知略を駆使しながら次第に勢力を拡大していきました。周防国・長門国(現:山口県)を支配する大内家の実権を握っていた陶晴賢と相対することになります。

 当時、元就軍は約4000人。対する晴賢軍は約2万人。元就は、圧倒的に不利な状況にありました。そこでまず、元就は「厳島に攻め込まれたら勝ち目がない」という偽りの情報を流して晴賢軍を厳島におびき寄せることにします。そして、村上水軍と交渉を始めます。

 村上水軍は、根拠とする島によって能島村上氏、因島村上氏、来島村上氏の3氏に分かれていました。このうち、因島村上氏はすでに元就の側に付いています。しかし、他の2氏は旗色を鮮明にしていません。この2氏の決断が戦況を変え得ることを、元就は見通していました。

 元就の三男・小早川隆景は、家臣の乃美宗勝(のみ むねかつ)を来島村上氏の頭領・村上通康の元に遣わせます。通康を味方に付けないと勝利がおぼつかないのは明らかでした。宗勝は必死の思いで「1日でよいから力を貸してほしい」と頭を下げます。

 一方の陶晴賢も村上一族に声をかけていました。ただ、晴賢は書簡による依頼のみです。村上氏としても、どちらに味方するかで自らの命運が分かれます。圧倒的に多勢を誇る晴賢軍に付くか、元就軍か……。

 晴賢軍は500艘(そう)もの大船団で厳島に上陸し、2万人の大軍で宮尾城を取り囲みました。ようやく村上水軍の船団が姿を現したとき、船団が向かった先は厳島ではなく、元就軍が本陣を構える対岸の火立山でした。元就軍は、狭い厳島に晴賢軍を封じ込める戦略と村上水軍を味方に付けたことにより、戦いに勝利。さらに勢力を広げていくことになります。

信長、信玄も熟知していた水軍の重要性…

続きを読むにはログインが必要です

会員登録3つのメリット!!

  • 最新記事をメールでお知らせ!
  • すべての記事を最後まで読める!
  • ビジネステンプレートを無料ダウンロード!

「歴史・名言」人気記事ランキング

AIによるおすすめ記事

他の方はこんな記事も見ています

連載バックナンバー

戦国武将に学ぶ経営のヒント

オンラインセミナー動画

配信日時

2022年6月24日(金)13時30分-15時00分(予定)

業務効率化関連

日本企業におけるDXの活用、推進による課題解決について

これからの経営の重要なキーワードとなっているDX(デジタルトランスフォーメーション)。
デジタル技術の急速な発展・SDGs等の社会環境変化や市場の競争環境変化により、企業はデジタルを活用した事業や業務の変革が迫られています。
本セミナーでは、「DX」の概念の理解に加え、事例等を通じ、具体的イメージをご紹介しながらDX推進のためのポイントをお伝えすると共に、すぐにできるDXをご紹介します。
ぜひこの機会にご参加ください。

配信期間

2022年6月3日(土)~2023年3月31日(金)

業務効率化関連

企業のDX化と「攻め」のオペレーションへの転換

DXという言葉はすっかりバズワードとなり、今やすべての企業にとってデジタル化は必須となっています。
しかし、DXの捉え方は会社によってさまざまで、「とりあえずデジタル」のような取り組みをDXと位置付けているケースもございます。
本セミナーでは、まず第一部で企業におけるDXの定義とDX活動を着実に前進させるポイントについてご説明し、第二部ではDX活動の第一歩として「おまかせAI-OCR」を活用したオペレーション改革について、具体例を交えながらご紹介します。