戦国武将に学ぶ経営のヒント(第58回)光秀の処世術(2)能力が生かされない勤務先を脱出

歴史・名言

2020.03.03

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 NHK大河ドラマ『麒麟がくる』は、リアルな時代描写と迫力ある合戦シーンで人気となっています。このドラマの主人公は、長谷川博己さん演じる明智光秀。今年1年、麒麟がくるで注目を集めそうな光秀をビジネス視点で見るこのシリーズの第2回は、光秀の「転職」について考えます。

 仕えていた斎藤道三が戦死して失業状態になった光秀は、母の縁で越前国(現・福井県北部)に身を寄せ、彼の地の武将である朝倉義景の家臣になりました(前回参照)。そして、義景の下にいることで足利義昭とつながりができます。

 義昭の兄は、第13代将軍・足利義輝です。しかし1565年、義輝が三好三人衆や松永久通らの手にかかって暗殺されるという大事件が起きました。危険を感じた義昭は、若狭国(現・福井県南部)に向かい、姉婿に当たる守護・武田義統の下へ逃れました。

 義昭は亡くなった兄に代わって将軍となるべく、上洛(じょうらく)を計画します。しかし自らの下には手勢が薄く、そのまま京都に上るのは危険です。そこで、近隣の有力武将である義景に協力を要請しました。ここで、義景に仕えていた光秀と義昭とに接点ができます。

 さらに、義昭は尾張を統一して勢いに乗る織田信長に目を付けました。この時、義昭と信長の交渉役になったのが光秀でした。光秀と信長の運命的な出会いです。

 信長としたら、将軍家の正統的な後継者である義昭の護衛という名目で京都に足掛かりを作る絶好の機会です。申し出を承諾した信長は、本拠としていた岐阜城から上洛を開始。途中、三好三人衆らの抵抗に遭いますが、次々に打ち破り、義昭、光秀らと共に京都に入りました。この時、光秀は将軍家の人間である義昭の臣下でありながら、戦の場では信長の配下として働くという、二重に主君を持つ状態でした。

 上洛を果たした直後、三好三人衆らの後ろ盾で第14代将軍となっていたいとこの足利義栄が病で亡くなります。障害がなくなった義昭は1568年、第15代将軍に就任。義昭は信長に深い恩義を感じ、書状で信長のことを「御父」と呼ぶほどでした。

 しかし、将軍として自らの権力を誇る義昭と、勢力の伸長をもくろむ信長の間には次第に亀裂が入ります。義昭は、武田信玄や浅井長政、三好三人衆、石山本願寺らの反信長と連携し、信長包囲網を形成。義昭と信長の両方に仕える格好だった光秀は、どちらに付くか、選択を迫られます。

能力を生かせる場所、私を生かしてくれる主君を求め脱出…

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