戦国武将に学ぶ経営のヒント(第75回)

名言から学ぶ(3)戦国武将のマネジメント論

2021.08.16

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 多くの人材が集まる組織にとって、好むと好まざるとにかかわらず、マネジメントは欠かせないものです。これは、戦国時代の「家」も同じです。多くの家臣や兵を束ねていた戦国武将は今でいうマネジメントを行う存在であり、マネジメントについて数々の言葉を残しています。

 2019年のラグビーワールドカップに出場した日本代表は「ONE TEAM(ワンチーム)」というスローガンを掲げていました。ラグビーの代表は国籍ではなく所属協会によって決まるため、選手はさまざまなチームから選ばれただけでなく、いろいろな国から集まっていました。多様なバックボーンを持つ選手が集う中、日本代表はスローガンの下に1つのチームとなり、見事ベスト8入りを果たしました。

 戦国時代の軍も、ある意味ラグビーの日本代表と似たような状況にありました。家臣には、何代も仕える古参もいれば新参もいます。また、兵の中には年少の頃から戦を渡り歩いたつわものもいれば、普段は農業をしている農兵もいます。このような事情からか、今から400年以上前の武将も「ONE TEAM」に相当する言葉を残しています。

 美濃(現・岐阜県)の斎藤氏の家臣として世に出、後に豊臣秀吉に仕えた竹中半兵衛は、「要害がいかように堅固であっても、人の心が一つでなければものの用をなさない」と、軍が1つにまとまる重要性を語っています。半兵衛が黒田官兵衛と並ぶ名軍師として知られていると思うと、この言葉はさらに重みを増します。

 また、豊後(現・大分県)出身で秀吉に仕え、秀吉から無双の強さとたたえられた立花宗茂は、「戦いは兵が多いか少ないかで決まるのでなく、一つにまとまっているかどうかである。人数が多いからといって勝利できるものではない」と、まとまる強さを強調しました。

 多様性の時代になり、現代の企業はさまざまなバックボーンを持つ人材を抱えるようになりました。多様な働き方や考え方を受け入れるのはもちろん大切です。しかし、各人がバラバラの方向を向いていては、チームとしての成果は望めません。方向性や共有すべき価値を示し、1つのチームとなる大切さを百戦錬磨の武将は語っています。

 多様な人材をまとめるだけでなく、人材をいかに登用するかもマネジメントの大きな課題です。この点についても、戦国武将は興味深い言葉を残しています。

 「おまえは時々、部下を夏の火鉢やひでりの雨傘にしている。改めよ」

人材登用ではここを重視… 続きを読む

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