IT時事ネタキーワード「これが気になる!」(第138回)スペースXが直接スマホと通信できる衛星の打ち上げに成功。今後の展開は?

データ通信 時事潮流

公開日:2024.02.19

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 2023年12月、「NTTドコモ、年内にStarlink Business提供。今後を占う」という記事を書いた。ここで取り上げた「スターリンク」は、イーロン・マスク氏率いる米スペースX社が行う衛星通信インターネットサービスのこと。スターリンクは一般的な静止軌道衛星(高度約36000km以上)に比べ、高度500~2000km程度という低い軌道を回る衛星を用いるため「低軌道衛星通信」と呼ばれる。数千基にわたる多数の低軌道衛星を連携、通り過ぎたら次の衛星に切り替えることで通信を途切れさせない「衛星コンステレーション」を特徴とする。

2024年1月、スペースX、スマホとの直接通信が可能な衛星打ち上げに成功

 低軌道衛星通信サービスはスペースXの他、OneWebTelesat、欧州連合(EU)など、十数の組織が2030年までに低軌道衛星ネットワークを構築する意向を示している。その中でもAmazonが手掛ける「Project Kuiper」は2023年10月に最初の衛星の打ち上げに成功し、向こう6年間で約3000基の衛星の打ち上げを予定している。

 スターリンクは基本的に数十センチの「スターリンクアンテナ」を空が見える場所に設置することで、地球上のどこでも通信環境を構築できる。

 これまで、スターリンクの通信には受信機となるアンテナが必要で、スマートフォンなどとの直接通信に非対応なのが残念といわれてきた。ところが2024年1月3日、スペースXにより打ち上げられたスターリンクの最新鋭衛星6基は、既存のスターリンクと接続してネットワークを構築可能な上に、スマートフォンとのLTE通信を可能とするアンテナを搭載、待望の直接通信実現の第一歩として大きく話題を呼んだ(「スペースX、スマホとの直接通信が可能な衛星の初打ち上げに成功」)。

KDDIとスペースX、空が見えれば通信ができる「直接通信」サービスを2024年内に開始…

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執筆=青木 恵美

長野県松本市在住。独学で始めたDTPがきっかけでIT関連の執筆を始める。書籍は「Windows手取り足取りトラブル解決」「自分流ブログ入門」など数十冊。Web媒体はBiz Clip、日経XTECHなど。XTECHの「信州ITラプソディ」は、10年以上にわたって長期連載された人気コラム(バックナンバーあり)。紙媒体は日経PC21、日経パソコン、日本経済新聞など。現在は、日経PC21「青木恵美のIT生活羅針盤」、Biz Clip「IT時事ネタキーワード これが気になる!」「知って得する!話題のトレンドワード」を好評連載中。

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