脱IT初心者「社長の疑問・用語解説」(第82回)
ブルーライト対策にはうな重?
公開日:2018.08.17
2018年4月から、パソコンやスマートフォンを使い、インターネットを通じて医師が患者を診察する「オンライン診療」に健康保険が適用されるようになった。これは、オンライン診療の実用化を意味し、歴史的な改定ともいわれている。
ただし、オンライン診療を行う医療機関がまだわずかだ。オンライン診療を受けられる条件も厳しく、ハードルは高い。まだ始まったばかりのオンライン診療は、アプリやインターフェースの統一化、セキュリティ対策、診療場所の安全性、IT機器を持たない人や操作に不慣れな人への対応など、多くの課題を抱えている。いわば、よちよち歩きの状態なのは否めない。
オンライン診療は、基本的にパソコンやスマートフォンのビデオチャット機能を使い、医師が患者と会話しながら診察する。電車を乗り継いだ上に、混み合う病院で長時間待った揚げ句、診療時間はごくわずか。会計や薬の受け取りにも時間がかかる。通院は一日仕事だ。オンライン診療が実現すれば、高齢、多忙、遠隔地などで容易に通院できない人にも、手軽に診察を受ける環境が提供される。高齢化社会では、通院への付き添い負担も軽くない。介護の負担も減る。
オンライン診療が実現すれば、24時間いつでも予約可能だ。通院時間や待ち時間もない。会計はキャッシュレスで手間いらず、薬や処方箋は自宅まで配送、受付の必要がない。事前に血圧や体温などのデータを送れ、時間も短縮できる。日ごろの通院ストレスがずいぶんと軽減される。
オンライン診療は2015年に事実上の解禁になったものの、医師法では医師が患者と対面して診療することが原則で、へき地などを除き、認められてはいなかった。それがICT技術の飛躍的な進展に合わせ、遠隔診療を広く求める方針に転換。この4月の診療報酬の改定で「オンライン診療料」「オンライン医学管理料」を新設する運びとなった。
本来、診療とは医師が患者と対面して行うのが原則で、すべてオンラインで行えるわけではない。現状でも、初診は対象外、同じ医師の下に6カ月以上通院している患者に限られる。また、対面診療を行う医師と同一の医師がオンラインも担当、3カ月に1回は対面診療を受ける、などが条件として決められていて、そこそこ敷居は高い。
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執筆=青木 恵美
長野県松本市在住。独学で始めたDTPがきっかけでIT関連の執筆を始める。書籍は「Windows手取り足取りトラブル解決」「自分流ブログ入門」など数十冊。Web媒体はBiz Clip、日経XTECHなど。XTECHの「信州ITラプソディ」は、10年以上にわたって長期連載された人気コラム(バックナンバーあり)。紙媒体は日経PC21、日経パソコン、日本経済新聞など。現在は、日経PC21「青木恵美のIT生活羅針盤」、Biz Clip「IT時事ネタキーワード これが気になる!」「知って得する!話題のトレンドワード」を好評連載中。
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