脱IT初心者「社長の疑問・用語解説」(第82回)
ブルーライト対策にはうな重?
公開日:2021.03.29
1月27日、ユーロポールは、世界中で猛威を振るっていたコンピューターウイルス「エモテット」について、オランダ、ドイツ、米国、英国、フランス、リトアニア、カナダ、ウクライナ各国の警察と協力し、エモテットのメインサーバーを止め、パソコンやハードディスクなどを押収した。サーバーの2台はオランダに、もう1台はウクライナにあった。
この作戦でエモテットの制圧に成功した、というニュースが世界中に流れた。エモテットのネットワークを効果的に解体して再構築の可能性を阻止するには、関係する複数の国で同時に行動を起こす必要があったという。
ウクライナでの押収の様子は、YouTubeのウクライナ国家警察の公式チャンネル動画で見られる。コンピューター機器のほか、金塊や札束も大量に押収された。盗んだ情報を公開すると脅す「暴露型」の活動を収入源としていたと思われる(最近よく聞く「暴露型ウイルス」参照)。エモテットの被害は世界で25億ドルに上り、ウクライナ警察に拘束された2人は最大12年の懲役が科されるという。
エモテットは、メールの添付ファイルやメール中のリンクを開くことで感染する。オランダ警察によれば、押収されたデータの中から、数百万件のパスワード付きメールアドレスが見つかったという。オランダ警察のページのフォームから、押収されたデータに自分のアドレスが含まれるかどうかチェックできる。
なお、海外の捜査当局から警察庁に対して、日本でエモテットに感染している機器の情報提供があった。2月下旬から情報をISPに提供し、記載されている機器の利用者を特定。注意喚起が行われている。詳しくは警察庁の「マルウェアに感染している機器の利用者に対する注意喚起の実施について」と総務省の「マルウェアに感染している機器の利用者に対する注意喚起の実施」を参照しよう。
\ かんたん入力で登録完了 /
執筆=青木 恵美
長野県松本市在住。独学で始めたDTPがきっかけでIT関連の執筆を始める。書籍は「Windows手取り足取りトラブル解決」「自分流ブログ入門」など数十冊。Web媒体はBiz Clip、日経XTECHなど。XTECHの「信州ITラプソディ」は、10年以上にわたって長期連載された人気コラム(バックナンバーあり)。紙媒体は日経PC21、日経パソコン、日本経済新聞など。現在は、日経PC21「青木恵美のIT生活羅針盤」、Biz Clip「IT時事ネタキーワード これが気になる!」「知って得する!話題のトレンドワード」を好評連載中。
【TP】
IT時事ネタキーワード「これが気になる!」
企業の情報セキュリティリスク認知調査2023
テクノロジーの進化によって、生産性の向上や多様な働き方の実現などの恩恵がもたらされる一方、サイバー攻撃も多様化・複雑化の一途をたどっています。こうした中、攻撃手法などの情報セキュリティリスクをどれくらい認知しているのだろうか。その最新動向について調査しました。
情報セキュリティ対策意識調査2022
DX推進が企業にとって成長のドライバーとなる中、サイバー攻撃も多様化・複雑化の一途をたどっています。AIやRPAなど各種のICTテクノロジーや、社内外のコミュニケーションを円滑化するクラウドストレージ活用が進む現在、企業における情報セキュリティ対策はどうなっているのだろうか。対策度合いや、脅威に感じるもの、対策をするうえでの課題などの最新動向について調査を行いました。
その対策は効果ナシ!セキュリティの常識を検証する
サイバー攻撃の被害が深刻化し、従来のセキュリティの常識が 崩れ始めています。本当に必要な対策とは何か?情報セキュリティ大学院大学の大久保隆夫教授にお聞きしました。
2024年11月13日(水)①14時00分〜14時30分 ②18時00分~18時30分
セキュリティ関連